福井市長選挙への立候補記者会見での発言
日本は、令和という新しい時代を迎え、大きな岐路に立たされています。経済の停滞、少子高齢化、何より構造的な人口の減少。特に、出生率が下げ止まったままで、子供や、働き盛りの若い世代が減少する中、グローバル経済の浸透による経済効率化が進み、正規雇用と非正規雇用の賃金格差の問題、年金や医療をはじめとする社会福祉費の負担の増加、教育に関する支出の増加など、高度経済成長を経て、これだけ日本が豊かに、便利になったにもかかわらず、若い世代の将来への不安はむしろ増す一方です。経済成長、歳入の増加を前提とした行政運営が限界であることは誰の目にも明らかである一方、豊かであるがゆえに、当面は何とかなるがゆえに、時代の変化を率直に受け止め、これに対応し、むしろ変化を先取りした政策が十分に行われているとは言い難いのが、わが国の現状だと思います。
こうした課題は、すべて、この福井市にも当てはまります。福井県全体で見ても、幸福度、住みやすさ、子供の体力や学力など、多くの指標で全国トップレベルの評価を得ているものの、それでも、人口の減少に歯止めがかかりません。福井市の人口も、現在の26万3千人から、26年後の2045年には、最悪の場合5万人も減少して21万人程度になることが予想されています。しかも、現在でもこれだけ少子化が進んでいるにもかかわらず、2045年には、子供の数は今よりさらに25%も減るとみられています。これは、戦争や疫病の流行などを除いては、日本の、いや、世界の歴史上も例のない異常な事態と言わざるを得ません。結婚したいと思っても踏み切れない、子供が欲しい、2人目3人目が欲しいと思ってもためらってしまう、このような社会に明るい未来がないことは明らかです。
私の愛するふるさと福井には、日本に、世界に誇れる素晴らしいものがたくさんあります。しかし、このまま人口の減少が続けば、将来、ふるさと自体がなくなってしまうことさえ、決してあり得ない話ではないのです。
北陸新幹線の開業に伴う街の活性化、高齢社会に対応した公共交通ネットワークの整備、財政問題、中心市街地の再整備。福井市が取り組むべき課題は、多岐にわたっています。しかし、地域社会の発展、福井市の発展のためには、若い世代が安心して結婚し、子供を産み育てられる環境のさらなる整備が絶対に欠かせません。子供たちが、多くの仲間に囲まれ、生き生きと成長する街でなくてはなりません。社会の活性化のためには、高齢者の知恵と経験だけでなく、若い世代の元気と情熱が必要なのです。
福井には、地域社会で人と人とが支えあい、助け合う、素晴らしい文化があります。そうした土台の上に、少子化対策、若者の雇用対策、Uターンや移住促進対策などを徹底的に行い、近い将来、
現在1.65である福井市の合計特殊出生率を、離島などを除いて日本一となる2.2、人口を増加に転じさせることができる2.2
にすることを大きな目標に掲げたいと思います。若い人口が増えれば、経済も活性化し、街も活性化し、多くの困難を乗り越えることができます。そうした旗を、今日、掲げたいと思います。子育て日本一の街・福井、若い世代が日本一住みやすい街・福井を目指そうではありませんか。
時代は変わりました。福井県にはこの春、杉本知事という新しい知事が誕生しました。安定も大切です。継続も重要です。しかし、それだけでよいのでしょうか?継続という名の停滞に甘んじてよいのでしょうか?福井市は、これから先も、これまでの12年間と同じでよいのでしょうか?令和の時代には、市民の皆さんと話し合い、学びあい、柔軟な発想で新しい時代を切り開く、決断力と実行力のある強いリーダーが必要ではないでしょうか?
そのように考えた時、私が、ふるさと福井について、福井にいたのでは分からない外部の視点から見て感じてきたことを活かし、新しい時代に、新しい市政をつくっていくことが、26万市民の、そして、これから生まれてくる未来の福井市民のためになるとの確信に至り、12月に行われる福井市長選挙に立候補することを決意しましたので、ご報告させていただきます。
至らぬ点も多々あると承知しておりますが、私には、従来の慣習にとらわれない柔軟性と決断力があると自負しております。国や地方の様々な立場での行政経験もあります。何より、福井をもっともっともっとよい街にしたいという情熱とパワーがあります。市民の皆さんからの叱咤激励、ご指導をいただきながら、「みんなが輝く 全国に誇れる ふくい」未来に進む、子供たちの笑顔にあふれる福井市を、市民の皆さんとともに作っていきたいと思います。
福井の新しい物語が、12月15日に始まります。今日からは、その予告編がスタートします。私は、誰に頼まれたのでもなく、一人、この場にいます。しかし、これから、福井の将来を考える多くの人に、その立場を超えて、ただ福井の未来のために、集まっていただけるものと信じています。
新しい物語を作っていくのは、私ではなく、私も含めた、すべての福井市民です。ともに、前に進みましょう。
(2019年7月31日午前)
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